ホウレンソウのタネをまく前に、しておかなければいけないことがあります。
ホウレンソウは酸性土壌に弱いので、石灰分が必須となります。
苦土石灰という肥料が必要となります。
タネまきする1週間前に、土の表面がうっすら白くなる程度に
苦土石灰を散布しておきます。

以下はマニアックなお話なので、興味があるかたはぜひ読みすすめてください。
『苦土石灰』とは、ドロマイトと呼ばれる鉱物を加熱したものを粉砕し粉状した肥料です。
アルカリ性で、炭酸カルシウムと炭酸マグネシウムが主成分となっています。
「苦土」とは、マグネシウム、「石灰」とはカルシウムの意味。
カルシウムは成長点が作られるときにいる必須元素であり、
マグネシウムは葉を緑色にする葉緑素を形成するときに必要な必須元素です。
肥料は3大栄養素(窒素・リン酸・カリウム)ばかり与えがちで、4番目・5番目にあたる
苦土石灰(マグネシウムとカルシウム)を忘れがちです。
ホウレンソウなど中性からアルカリ性の土壌を好む植物は、
日本の土は酸性で、植物が育ちにくい環境となっています。
畑や庭の土に苦土石灰を混ぜることで、中和して、すくすく育つ用土に変わるんです。

土は、pH7を中性として、7以下の数値だと酸性、7以上の数値とアルカリ性となります。
日本の土壌はほぼ酸性になっているため、苦土石灰を土に加えてそれぞれの植物に適した状態を作ります。
まず、植物が好む土壌pHと、現状の用土のpHを調べます。
ホームセンターなどで入手できる以下の測定液を使うとすぐに土のpH状態がわかります。
しかしここまで厳密に調べるかたは専門家かマニアさんかもしれません。
それに対して、苦土石灰を、元の土の量を見ながら加えていきます。
ホウレンソウでは
1坪あたり600g加えるのが目安です。
■苦土石灰をまいて一週間、土を寝かせます。
なんで苦土石灰をまいて一週間寝かせるの?っていう素朴な疑問のお答えは、
土壌には緩衝作用などがあり、石灰をまいたからといって、すぐにアルカリ側に傾かないものなのです。
1週間~10日間の時間が必要になります。
窒素肥料と石灰を一緒に散布しないのは、窒素肥料と石灰が反応してアンモニアガス化してしまうこともあります。
苦土石灰などアルカリ度の低い種類は、比較的影響は少ないようです。
植え付けも、肥料を入れてから1週間待った方がいいと思います。
馴染んだほうが吸収されやすいと考えられています。
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高校生のみなさん、
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3月6日(日)、19日(土)、24日(木)、30日(水)です。