ヤギの糞尿処理。ウンチは貴重なエネルギー源。
*画像はヤギの出たばかりのウンチ。粒状だから取扱いが容易。
今回は不思議な話をしていきます。
食物連鎖など、エネルギー循環型の実習地域を構築するための思考実験です。
江戸時代、人糞や家畜の糞尿は、植物にとって貴重な肥料源でした。
私事のお恥ずかしいお話からはじまります。
幼いころ、肥溜め(こえだめ)(または、野壺(のつぼ)ともいいます)に
はまったことがあります。
それはそれは人生のなかで大きなトラウマになってしまうほどの事件でした。
肥溜めは、文字通り、人糞を溜めて発酵させ、肥料として利用するためのものですが、
関西地域では、「あの世」と「この世」の通過点という認識も古くから言い伝えられてきたため、
肥溜めに落ちてしまうと、親族一同大騒ぎするくらいの出来事でした。
肥溜めに落ちた瞬間、一度死んだことになってしまうようで、名前を変えなきゃいけないという
不思議な改名の習慣があったようです。当時、改名までしなくてもいいから、
小生の名前を呼んではいけないという親族のなかに決まりができました。
悲しいかな、いまだに『ボク』と呼ばれ、親族一同、誰も
名前を呼んでくれません(完全ではありませんよ。
呼んでもらえることもあります)。
逆説的な考えもあって、いろんなひとのウンチが身体に付着したので、
『運が付く』という前向きな見方もあって、出世するといった考え方もあるようです。
ネットサーフィンしていたら、以下のようなサイトを発見しました。
話半分にとらえていただけたらいいのですが、・・・・。
現在のサイエンス的な見方は、腸内細菌が影響しているという見解もあります。
健康な人のウンチを病気を患っているひとの腸内へ入れる治療法もあるようです。
温泉を利用されている方々も温泉のお湯のなかに漂う腸内細菌を接種していることも考えられます。
とても健康的になる温泉、湯あたりしてしまう温泉、
すべて腸内細菌の相性が関与しているかもしれないとの報告もあります。
そろそろ、糞尿処理について考えていきたいと思います。
日本の南西諸島では、農耕地の地力維持にヤギを飼って、実際にヤギの糞を堆厩肥*(たいきゅうひ)として利用されているようです。採肥用にヤギ舎を設けて果樹園生産者は利用しているようです。
国際家畜研究所のヤギ専門家によると、ヤギの糞尿は一晩で1.6~2.0ドルの肥料分を供給できると報告されています。
■堆肥(たいひ)とは?
肥料取締法で、堆肥とは「わら、もみがら、樹皮、家畜又は家禽(かきん)の糞(ふん)、その他動植物質の、有機物質を堆積(たいせき)又は攪拌し、腐熟させたものをいう」と指定されています。
一般的に使われている「堆肥」という用語は、家畜糞尿を含まない植物質だけの原料だけで作られたものをさすことが多いようです。ホームセンターでは『バーク堆肥』という商品名で販売されてます。
「堆肥」と家畜糞を含んだ「厩肥(きゅうひ)」とを合わせた「堆きゅう肥」*と同義に使う場合があります。これまでの習慣に応じて、「堆肥」「きゅう肥」「堆きゅう肥」等の語句を用いることにします。
■『厩肥(きゅうひ)』の作り方
家畜糞尿を主体に、敷きわら、稲わら、オガグズなどを混合して堆積して発酵させたもの。
窒素の揮散を防ぐために、過リン酸石灰を加えます。
1:積み込み
ふん尿と敷きわらを同量にして、よく踏み込み、高さ 30cm 程度に積みます。
5 kg の過リン酸石灰をふりかけて、少量の水を加えて、軽く踏み込みます。
これを繰り返し、 1.8 mの高さまで積み上げます。
発酵温度は 70 ℃程度に上げるようにします。
雨除けにビニールが必要。
2:切り返し
積み込み後は発熱に注意して、2週間後に第 1 回めの切り返しを行います。その後3週間後に第 2 回めの切り返しを行います。夏季で 2 か月、冬季で 4 か月で堆肥ができあがります。
以上は、牛ふん、馬ふんを前提にした堆肥のつくりかたです。豚ふん、鶏ふんの場合、稲わら類を多く入れます。目安としてふんの 2 倍以上です。豚や鶏のふんのなかに、石灰やリン酸が多く含まれているため、過リン酸石灰を混合しないほうがいいときもあります。色が暗褐色で、いやな臭いがしなくなれば、使用できます。
■ボカシ肥の作り方
堆肥化はアルカリ条件下で、好気的に温度を高めて分解させるため、窒素がアンモニアになって揮散してしまいます。一方、土に有機物を混ぜ、低温でじっくり熟成させ、肥料成分の揮散を防ぐために作るのがボカシ肥といわれるものです。100kg の山土の上に、燻炭を 20kg 、油粕を 20kg 、米糠を 20kg 、乾燥ふんを 60kg 、過リン酸石灰を 15kg 、山土を 65kg を順に積み上げていきます。最後に「こも」をかけます。雨よけにビニールを被せます。50 ℃以下の低温で数か月発酵させます。夏季は 1 か月、冬季は 2 か月でできあがります。
高校生のみなさん、社会人のみなさん、
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3月30日(水)です。
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